空撮ドローンを製作しよう – ジンバルカメラの製作(4) –

2026年2月10日

 今回は前回設計したジンバルコントローラのCADデータをもとにコントロールボードを作製します。

ジンバルコントローラボードの部品

 設計したジンバルコントローラボードの部品リスト(BOM)を示します。参考として私が購入した販売店を記載しておきます。マルツオンラインでほとんどの部品は購入できます。マルツオンラインではチップ抵抗を少数個単位で購入できるので自作者にとっては余分な在庫に出費しなくて済むのでたすかります。レギュレータIC、LED、ショットキーダイオード、チップコンデンサ等は比較的安価な秋月電子から購入しています。コンデンサはすべてセラミックコンデンサです。水晶発振器については、マルツオンラインおよび秋月電子に8MHzのものが無かったのでモノタロウから購入しました。中華のあまり有名でないメーカの安価なものですが精度や安定性は問わないつもりで購入しました。

部品番号部品名パッケージ
/サイズ
機能製造元販売元
(参考)
IC1 STM32F103RCT7TQFP64-SPMCU 32BIT CORTEX-M3 72MHZSTMicroマルツ
IC2, IC3, IC4 DRV8313RHHVQFN36Triple 1/2-Half Bridge DriverTIマルツ
IC5 LMR14206SOT23-6Switching ReguratorTIマルツ
IC6 TCR3UF33ASOT23-53.3V Linier ReguratorTOSHIBA秋月電子
IC7 74AHC1G86DCKSC70-52-input EXCLUSIV-OR gateTIマルツ
D140V3ASB34AFCSMAF-CSchottoky Diode 40V 3APANJIT秋月電子
D2,D330V1ARB160M-30TRSOD123WSchottoky Diode 30V 1AROHM秋月電子
LED1 GreenOSG50603C1E0603(1608)Chip LEDOptoSupply秋月電子
LED2 RedOSR50603C1E0603(1608)Chip LEDOptoSupply秋月電子
U18.000MHz XO32050UITA-8.000ASE3.3Vdc CMOS SMD CRYSTAL CLOCK OSCILLATOREuroquartzモノタロウ
C21,C221u/25VGRM188R71E105KA12C0603(1608)Chip CapacitorMurata秋月電子
C1,C410u/35VGRM188R6YA106MA73C0603(1608)Chip CapacitorMurata秋月電子
C10, C1322u/25VGRM21BR61E226ME44C0805(2012)Chip CapacitorMurata秋月電子
C1947u/16VGRM32EC81C476KE15LC1210(3025)Chip CapacitorMurata秋月電子
C2,C8,C11,C20100n/50VGRM188F11H104ZA01C0603(1608)Chip CapacitorMurata秋月電子
C3,C9,C24,C26,C27,C2810nGRM155B11C103KA01DC0402(1005)Chip CapacitorMurataマルツ
C5,C6,C7,C12,C14,C15,C16,C17,C18,C23,C25,C29,C30,C31100n/50VGRM155R71H104KEC0402(1005)Chip CapacitorMurata秋月電子
R19,R2022RK73H1JTTD22R0FR0603(1608)Chip RegistorKOAマルツ
R1150RK73H1JTTD151FR0603(1608)Chip RegistorKOAマルツ
R210kRK73B1JTTD103J R0603(1608)Chip RegistorKOAマルツ
R6,R9,R12,R131kRK73H1JTTD1001FR0603(1608)Chip RegistorKOAマルツ
R7,R14,R152.2kRK73B1JTTD222J R0603(1608)Chip RegistorKOAマルツ
R105.6kRK73H1JTTD562FR0603(1608)Chip RegistorKOAマルツ
R11,R181.5kRK73H1JTTD152FR0603(1608)Chip RegistorKOAマルツ
R3,R4,R8,R16,R17,R26,R2710kRK73H1ETTP1002FR0402(1005)Chip RegistorKOAマルツ
L110uF 1.1ADFE322512F-100M1205(3225)Chip InductorMurata秋月電子
CON1,CON2,CON4,CON5,CON6 SM04B-SRSS-TB Disconnectable Crimp style connector 4pinJSTマルツ
CON3 SM03B-SRSS-TB Disconnectable Crimp style connector 3pinJSTマルツ
CON7,CON8,CON9 S3B-PH-K-S JST PH HEADER 3pin side typeJSTマルツ
JP1 PINHD-1X21X02PIN HEADER 秋月電子
SW1 SKRPACE010Tactile SwitchALPS秋月電子
SW2 SKRPACE010Tactile SwitchALPS秋月電子

ジンバルコントロールボードの基板作製

 基板作製では、まずEagleの上記のTop面およびBottom面のパターンレイアウト図を転写用のフィルムにインクジェットプリンターを用いて印刷します。Top面はミラー印刷にします。これは、印刷面をPCB基板に密着させ、露光時の回折によるパターンぼけを防ぐためです。専用のフィルム(サンハヤトのインクジェットフィルム等)を用いれば、0.01インチ(0.25mm)程度のライン/スペースは転写できます(キャノンのプリンターを用いた場合)。PCB基板にはポジ感光基板を用い、位置合わせしたTopとBottomのフィルムの間に感光基板を挟みます。露光ランプ(自作のケミカルランプを用いたもの)で基板の表裏にそれぞれTopとBottomのパターンを転写し、感光剤の現像後にエッチングを行います。エッチング後の写真を以下に示します。

 エッチングレジストが残っているため写真がぼけてわかりにくいのですが、フットプリントが密になっているMPU(STM32F103RC)のTQFPパッケージおよびドライバー(DRV8313RHH)のVQFNパッケージのフットプリントはショートや欠損することなく形成されています。スルーホール(0.4mm径)もしっかりエッチングされています。尚、TopレイヤーとBottomレイヤーのスルーホールの位置は、露光前の合わせが十分でなく基板の下方部分で0.4mm程度横方向にずれてしまいました。ドリルによるスルーホール空けが貫通しないように、Top面およびBottom面からPCB基板厚の1/2程度の穴をあけ、錫メッキ線を少し斜めに通して、スルーホールのずれは問題ないようにしました。
 基板を自作する場合、エッチングでパターンを形成して感光剤を取り除き、穴をあけて部品を半田付けし、錆止め剤を塗布するというのが一般的ですが、私はパターン保護のためスクリーン印刷を用いて半田レジストを形成しています。このために、前回のレイアウト設計で説明しましたがスルーホール上にもレジストが付かない様にレジストSTOPを配置しています。半田レジストを形成すると半田の広がりを防ぎ、半田ブリッジによるショートの発生も低減できます。以下にレジスト形成後のレイアウト写真を示します。

写真からわかるようにスルーホール上および部品のフットプリント上にはレジストが形成されていません。また、Bottomレイヤーのモータドライブ用の電源配線には部分的にレジストを配置しないで半田を付けるようにしています。電流が十分流せるように半田を付けて配線断面積を増やすようにしています(必要ないかもしれませんが?)。
 スクリーン印刷ではパターン精度が低いためきれいにレジストが塗付できず部品のフットプリント上にレジストがかぶってしまいます。この場合はカッターナイフや彫刻刀でレジストを除去します。尚、スクリーン印刷用の感光剤が塗付されたシルクスクリーン(サンハヤト製QPスクリーン)がディスコンになってしまい、レジストSTOPを形成するには感光スクリーンも自作しなければならなくなりました。youtubeではレジストをレーザー照射で焼き切る方法も紹介されていますが.....。

ジンバルコントロールボードの部品実装

 作製した基板に主に0.3mmのドリルでスルーホールを空け、錫メッキ線で基板表裏を接続します。その後、部品を基板に半田付けしてジンバルコントロールボードを完成させます。モータドライバーのDRV8313RHHではパッケージの裏面が放熱用の金属プレートになっているので、この面もPCBボードに半田付けします。まず、Bottom面の1.2mm径のスルーホールからクリーム半田を入れて半田コテで溶かします。この状態では金属プレートが部品(Top)面に十分に半田付けされていないので、部品面のDRV8313RHH横のレジストのないGND位置に500℃に設定した半田コテを当てて加熱します。DRV8313RHHの側面の端子の半田が少し溶融したら加熱を止めます。これで、部品面とDRV8313RHHの金属プレートが部品面GNDの半田付けされます。GND面を加熱しすぎるとボードが炭化して電源ショートを起こしますので十分に注意する必要があります。

 ジンバルコントロールボードはこれで完成です。次回は空撮ドローンに搭載するジンバルカメラの設計・製作を行います。

空撮drone

Posted by dronedroid-masa