空撮ドローンを製作しよう – ジンバルカメラの製作(4) –
今回は前回設計したジンバルコントローラのCADデータをもとにコントロールボードを作製します。
ジンバルコントローラボードの部品
設計したジンバルコントローラボードの部品リスト(BOM)を示します。参考として私が購入した販売店を記載しておきます。マルツオンラインでほとんどの部品は購入できます。マルツオンラインではチップ抵抗を少数個単位で購入できるので自作者にとっては余分な在庫に出費しなくて済むのでたすかります。レギュレータIC、LED、ショットキーダイオード、チップコンデンサ等は比較的安価な秋月電子から購入しています。コンデンサはすべてセラミックコンデンサです。水晶発振器については、マルツオンラインおよび秋月電子に8MHzのものが無かったのでモノタロウから購入しました。中華のあまり有名でないメーカの安価なものですが精度や安定性は問わないつもりで購入しました。
| 部品番号 | 値 | 部品名 | パッケージ /サイズ | 機能 | 製造元 | 販売元 (参考) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| IC1 | STM32F103RCT7 | TQFP64-SP | MCU 32BIT CORTEX-M3 72MHZ | STMicro | マルツ | |
| IC2, IC3, IC4 | DRV8313RHH | VQFN36 | Triple 1/2-Half Bridge Driver | TI | マルツ | |
| IC5 | LMR14206 | SOT23-6 | Switching Regurator | TI | マルツ | |
| IC6 | TCR3UF33A | SOT23-5 | 3.3V Linier Regurator | TOSHIBA | 秋月電子 | |
| IC7 | 74AHC1G86DCK | SC70-5 | 2-input EXCLUSIV-OR gate | TI | マルツ | |
| D1 | 40V3A | SB34AFC | SMAF-C | Schottoky Diode 40V 3A | PANJIT | 秋月電子 |
| D2,D3 | 30V1A | RB160M-30TR | SOD123W | Schottoky Diode 30V 1A | ROHM | 秋月電子 |
| LED1 | Green | OSG50603C1E | 0603(1608) | Chip LED | OptoSupply | 秋月電子 |
| LED2 | Red | OSR50603C1E | 0603(1608) | Chip LED | OptoSupply | 秋月電子 |
| U1 | 8.000MHz | XO32050UITA-8.000 | ASE | 3.3Vdc CMOS SMD CRYSTAL CLOCK OSCILLATOR | Euroquartz | モノタロウ |
| C21,C22 | 1u/25V | GRM188R71E105KA12 | C0603(1608) | Chip Capacitor | Murata | 秋月電子 |
| C1,C4 | 10u/35V | GRM188R6YA106MA73 | C0603(1608) | Chip Capacitor | Murata | 秋月電子 |
| C10, C13 | 22u/25V | GRM21BR61E226ME44 | C0805(2012) | Chip Capacitor | Murata | 秋月電子 |
| C19 | 47u/16V | GRM32EC81C476KE15L | C1210(3025) | Chip Capacitor | Murata | 秋月電子 |
| C2,C8,C11,C20 | 100n/50V | GRM188F11H104ZA01 | C0603(1608) | Chip Capacitor | Murata | 秋月電子 |
| C3,C9,C24,C26,C27,C28 | 10n | GRM155B11C103KA01D | C0402(1005) | Chip Capacitor | Murata | マルツ |
| C5,C6,C7,C12,C14,C15,C16,C17,C18,C23,C25,C29,C30,C31 | 100n/50V | GRM155R71H104KE | C0402(1005) | Chip Capacitor | Murata | 秋月電子 |
| R19,R20 | 22 | RK73H1JTTD22R0F | R0603(1608) | Chip Registor | KOA | マルツ |
| R1 | 150 | RK73H1JTTD151F | R0603(1608) | Chip Registor | KOA | マルツ |
| R2 | 10k | RK73B1JTTD103J | R0603(1608) | Chip Registor | KOA | マルツ |
| R6,R9,R12,R13 | 1k | RK73H1JTTD1001F | R0603(1608) | Chip Registor | KOA | マルツ |
| R7,R14,R15 | 2.2k | RK73B1JTTD222J | R0603(1608) | Chip Registor | KOA | マルツ |
| R10 | 5.6k | RK73H1JTTD562F | R0603(1608) | Chip Registor | KOA | マルツ |
| R11,R18 | 1.5k | RK73H1JTTD152F | R0603(1608) | Chip Registor | KOA | マルツ |
| R3,R4,R8,R16,R17,R26,R27 | 10k | RK73H1ETTP1002F | R0402(1005) | Chip Registor | KOA | マルツ |
| L1 | 10uF 1.1A | DFE322512F-100M | 1205(3225) | Chip Inductor | Murata | 秋月電子 |
| CON1,CON2,CON4,CON5,CON6 | SM04B-SRSS-TB | Disconnectable Crimp style connector 4pin | JST | マルツ | ||
| CON3 | SM03B-SRSS-TB | Disconnectable Crimp style connector 3pin | JST | マルツ | ||
| CON7,CON8,CON9 | S3B-PH-K-S | JST PH HEADER 3pin side type | JST | マルツ | ||
| JP1 | PINHD-1X2 | 1X02 | PIN HEADER | 秋月電子 | ||
| SW1 | SKRPACE010 | Tactile Switch | ALPS | 秋月電子 | ||
| SW2 | SKRPACE010 | Tactile Switch | ALPS | 秋月電子 |
ジンバルコントロールボードの基板作製
基板作製では、まずEagleの上記のTop面およびBottom面のパターンレイアウト図を転写用のフィルムにインクジェットプリンターを用いて印刷します。Top面はミラー印刷にします。これは、印刷面をPCB基板に密着させ、露光時の回折によるパターンぼけを防ぐためです。専用のフィルム(サンハヤトのインクジェットフィルム等)を用いれば、0.01インチ(0.25mm)程度のライン/スペースは転写できます(キャノンのプリンターを用いた場合)。PCB基板にはポジ感光基板を用い、位置合わせしたTopとBottomのフィルムの間に感光基板を挟みます。露光ランプ(自作のケミカルランプを用いたもの)で基板の表裏にそれぞれTopとBottomのパターンを転写し、感光剤の現像後にエッチングを行います。エッチング後の写真を以下に示します。
エッチングレジストが残っているため写真がぼけてわかりにくいのですが、フットプリントが密になっているMPU(STM32F103RC)のTQFPパッケージおよびドライバー(DRV8313RHH)のVQFNパッケージのフットプリントはショートや欠損することなく形成されています。スルーホール(0.4mm径)もしっかりエッチングされています。尚、TopレイヤーとBottomレイヤーのスルーホールの位置は、露光前の合わせが十分でなく基板の下方部分で0.4mm程度横方向にずれてしまいました。ドリルによるスルーホール空けが貫通しないように、Top面およびBottom面からPCB基板厚の1/2程度の穴をあけ、錫メッキ線を少し斜めに通して、スルーホールのずれは問題ないようにしました。
基板を自作する場合、エッチングでパターンを形成して感光剤を取り除き、穴をあけて部品を半田付けし、錆止め剤を塗布するというのが一般的ですが、私はパターン保護のためスクリーン印刷を用いて半田レジストを形成しています。このために、前回のレイアウト設計で説明しましたがスルーホール上にもレジストが付かない様にレジストSTOPを配置しています。半田レジストを形成すると半田の広がりを防ぎ、半田ブリッジによるショートの発生も低減できます。以下にレジスト形成後のレイアウト写真を示します。
写真からわかるようにスルーホール上および部品のフットプリント上にはレジストが形成されていません。また、Bottomレイヤーのモータドライブ用の電源配線には部分的にレジストを配置しないで半田を付けるようにしています。電流が十分流せるように半田を付けて配線断面積を増やすようにしています(必要ないかもしれませんが?)。
スクリーン印刷ではパターン精度が低いためきれいにレジストが塗付できず部品のフットプリント上にレジストがかぶってしまいます。この場合はカッターナイフや彫刻刀でレジストを除去します。尚、スクリーン印刷用の感光剤が塗付されたシルクスクリーン(サンハヤト製QPスクリーン)がディスコンになってしまい、レジストSTOPを形成するには感光スクリーンも自作しなければならなくなりました。youtubeではレジストをレーザー照射で焼き切る方法も紹介されていますが.....。
ジンバルコントロールボードの部品実装
作製した基板に主に0.3mmのドリルでスルーホールを空け、錫メッキ線で基板表裏を接続します。その後、部品を基板に半田付けしてジンバルコントロールボードを完成させます。モータドライバーのDRV8313RHHではパッケージの裏面が放熱用の金属プレートになっているので、この面もPCBボードに半田付けします。まず、Bottom面の1.2mm径のスルーホールからクリーム半田を入れて半田コテで溶かします。この状態では金属プレートが部品(Top)面に十分に半田付けされていないので、部品面のDRV8313RHH横のレジストのないGND位置に500℃に設定した半田コテを当てて加熱します。DRV8313RHHの側面の端子の半田が少し溶融したら加熱を止めます。これで、部品面とDRV8313RHHの金属プレートが部品面GNDの半田付けされます。GND面を加熱しすぎるとボードが炭化して電源ショートを起こしますので十分に注意する必要があります。
ジンバルコントロールボードはこれで完成です。次回は空撮ドローンに搭載するジンバルカメラの設計・製作を行います。