100g未満FPVドローンの設計 – 概略仕様

2025年9月21日

 2022年6月より航空法改正により重量100g以上の機体「無人航空機」の扱いとなり、機体登録、飛行許可承認申請手続き等を含む航空法の規制対象になりました。しかしながら、100g未満であれば模型航空機として扱われ、機体登録や飛行許可承認申請手続きが不要(空港等周辺で飛行させることや、高高度での飛行を除き)になります。まずは、手軽に飛ばすことのできる100g未満のFPVドローンの製作について連載します。

ハードウェアの概略仕様

 100g未満のFPVドローンハードウェアの概略仕様は以下の通りとしました。

  • バッテリーおよびプロペラガードを含めた機体の全重量を100g未満とする。
  • FPVドローンとして機能するためカメラおよびVTX(Video Transmitter)を搭載する。
  • 自動ホバリング、リターンホーム機能搭載のためGPSおよびコンパス一体型モジュールを搭載する。また、室内でのホバリングを可能とするためのセンサー(オプティカルフロー等)を可能であれば搭載する。
  • 地上制御ステーションと交信するためのテレメトリを搭載する。
  • ドローンサイズはCQ出版インターフェース2022年4月号のドローン作製記事になぞらえ3インチプロペラを用いたサイズとする。
  • 飛行時間は5分以上を目標とする。

 航空法では、「100g未満の重量とは機体本体の重量とバッテリーの重量の合計」となっています。すなわちプロペラガード等は機体本体から取り外すことができる場合には機体本体の付属品と見なすことができ、機体重量に含めないでよいと解釈されます(確か私の記憶では、DJI社製のmavic-miniはプロペラガードを除いて199gで、当時200g未満の模型航空機に該当ということだったと思います)。しかし、この「機体本体」は明確には定義されていないようですし、本ブログで紹介する3Dプリンターで製作する自作プロペラガードは、mavic-mini等のようにプロペラガードを嵌め込みで固定することは強度的に難しくてネジで固定することになりそうで、本体の一部と見なされるリスクもあります。したがって、リスクを考慮してプロペラガードも含めた重量を100g未満としました。

フライトコントローラソフトの選定

フライトコントローラソフトの概略仕様は以下の通りです。

  1. ソースコードを含めたソフトが用意に入手可能なこと
  2. 種々のフライトコントローラ(ハード)に対応していること
  3. 地上制御局ソフトと交信ができること
  4. 自動飛行プラン等が設定可能なこと

上記仕様の1,3,4を満足し無償で入手できるものは、

があります。上記仕様1は両方のフライトコントローラソフトで対応可能です。しかしながら上記仕様2については圧倒的にArdupilotが有利です。特に中国製の比較的安価な多数のフライトコントローラに対応しており、各種センサーのドライバーもそろっており、比較的使いやすいソフトです。よって、本ドローンのフライトコントローラソフトとしてArdupilotを採用することとします。

100g-drone

Posted by dronedroid-masa